プラスチック製品のリサイクル法

リサイクルは魔法ではない

リサイタルとも全く違うリサイクルは万事を解決してくれません。

みなさんもリサイクルという言葉を聞いたことがあると思いますが、中古品を 買取してくれるリサイクルショップが一番イメージしやすいかと思います。 まっさきにそれを思い浮かべるから無理もありませんが、リサイクルとは中古品を 捨てずにそのまま他の所有者の手に渡ってでも使い続ける、そんな意味の言葉 だと思っている人も多いのではないでしょうか。 所有者が使わなくなったカメラやプラモデル、フィギュアなどを高値で引き取って ショップに展示し販売する、そんなシステムのリサイクルショップが街角で営業 しているのも当たり前になってきたので、そう理解するのも仕方のないことです。 なのでゴミとして回収されたプラスティック製品、ペットボトルや壊れたホビー もきっとプラスティックになって再利用されているのだろうと信じて疑わないの でしょうし、その過程を経て生産される製品の方が安くてお得だと思っている 社会人や学生もきっと沢山いるでしょう。 ですが実際にはそうではなく、回収されたプラスティックのゴミは必ず同じような 製品に再利用されてはいないのです。 プラ製品のリサイクルは大きく分けてマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、 サーマルリサイクルがあり、マテリアルリサイクルのみがそのままプラスティック の材料として再利用されているだけなのです。 ケミカルリサイクルは一旦科学的に分解することで再びプラ製品の材料として 一部復活することもありますが、全てが元通りフィギュアや鉄道模型になって オモチャ屋さんの店頭に舞い戻ってくるわけではありません。 全く別のものに転生する割合も多いのです。 サーマルリサイクルになるともうプラ製品として復活することもなく、エネルギー として利用されるだけになります。 具体的にいうと燃料として燃やされ、そこで発生する熱を得るための再利用です。 このように家庭や企業で大量に発生するプラ製ゴミのリサイクルですが、雑居ビル のテナントにも多いリサイクルショップのようにそのまま中古品として使用される だけではありません。 使用済みのゲームソフトやゲーム機本体、ミニカーやドール、プラモデルや ラジコン、トレーディングカートやDVD、釣竿やサーフボードのようなホビー っぽいアイテムだけでなく、ジュエリーや貴金属、絵画や掛け軸、ブランド品や メガネ、腕時計や壺といったものまで扱っているリサイクルショップや質屋を イメージしていると、回収された資源ゴミも同様にそのままの姿で再利用されると 錯覚してしまいますが、そうではないゴミもたくさんあるのです。 ペットボトルのリサイクルなんかは効率が悪いことでも知られており、新たに製造 したほうが安くてエコロジーだと言う人もいるほどです。 一升瓶やビール瓶なら回収後に洗浄して再び市場に流すことが簡単なのですが、 柔らかくて傷つきやすいプラ製品だとそうもいかないのでしょう。 使用済みのペットボトルに入った飲料水を買いたいか、飲みたいかと問われたら ほとんどの人はノーと答えるでしょうし衛生的にも問題があるのです。 これが中古のパソコンやフィギュアなら多少の衛生面には目を瞑ってもいいので しょうが、口の中に入れる製品だと心理的にも健康面を考えてもあまりよろしくは ないとみんなが思っています。 舐めたり味わったりする前提でリサイクルショップでパソコンを購入する人は いないでしょうし、販売する側もそこまでは気にしていません。 一応子供向けのホビーだと幼い子が口に含む可能性も考慮しているでしょうが、 それでもよほどの危険がなければスルーしても問題ないと考えています。 でもコーヒー飲料やスポーツドリンクの入ったペットボトルだと、購入する人も 販売する側も気にするのでそのままリサイクルするのも簡単ではないのです。