プラスチック製品のリサイクル法

サーマルリサイクル

エネルギーに変換させるのがサーマルリサイクルですね。

凡人の描くリサイクルとは元の姿を保ったまま、あるいは性能や性質を維持した ままでの再利用が大半を占めると日常会話からも読み取れますが、それは質屋の 存在を知っているから、貴金属や古着を買取しているショップを見たことがあったり 利用した経験があるからそうイメージしてしまうのでしょう。 ですがここまでの解説でそれ以外の再利用法も多いことは学習していただけたと 思いますが、もっと大胆な利用法もあるのです。 サーマルリサイクルではなんと、もうプラスチックだったことは関係なくただの 燃料として扱われます。 廃プラを燃やせば何が発生するか、誰でも分かる質問ですが答えは熱です。 高熱はそれだけで利用価値のあるもので、高額な費用を支払ってでも入手しようと 頑張っている企業もあるほど使い道の多いエネルギーです。 燃焼時に発生する熱で温水を誕生させれば温水プールを経営することも夢では ありませんし、その熱を暖房に使うこともできるでしょう。 お湯はいらないよというのなら蒸気でタービンを回転させて発電する方法だって あり、これならその施設の電力を賄うことができるので毎月の電気代を節約する こともできる得なプランです。 タービンを知らない人に解説すると風車のようなもので、風の力を受けて回転 することで運動エネルギーを発生させる科学的なマシーンです。 タービン自体は近代的な機械ですが仕組みは昔からあったようで、水車も同じ ような原理でエネルギーを発生させる装置ですし細部まで理解していなくても なんとなくわかってもらえるとは思います。 回転エネルギーを利用することはかなり古くから文明の発達に貢献してきたと 思われており、日本以外でも水車は世界中で利用されていたようです。 日本では平安時代には水車をちらほらと見かけるようになったと想像されますが、 世界規模で見ると最初の水車は紀元前にまで遡るとのことです。 そんなに昔から人類がお世話になってきたものですので、今ではゴミの焼却施設で も手軽に設置されて大量のエネルギーを発生させ、みんなが暮らしやすい社会を 作ることに貢献してくれています。 水車そのものが現在の日本にいくつあるかは存じませんが、都心部にはほとんど 現存していなさそうですし田舎へ行かないと現役で稼動している水車を目にする ことは難しそうで、今のちびっ子達は実物に触れる機会も少なそうです。 理由としては設置可能な河川が少なくなったことがあるかもしれませんが、 子供の好奇心を満たすためにもなくなっては欲しくない気持ちが強い水車です。 熱を発生させてエネルギーをリサイクルする方法以外にも、サーマルリサイクル では固形燃料化という方法もあります。 この燃料はRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)と呼ばれるもので、廃棄 されたプラ製品や古紙から製造されるため原料費が格安なのが特徴です。 プラスチック博士でなくても知っていそうな知識ですが、プラ製品は石油から 製造されているのでとっても燃えやすい物質です。 ガソリンのように高温で自然発火することは滅多にありませんが、一度火が付く と激しい勢いで煙をまき散らしながら燃え上がります。 石油ストーブや暖炉にプラスチックがほとんど使われていないことを意識した ことのある人は多くなさそうですが、重たい金属を使っているのはそんな理由も あるからでプラ製品が燃えやすいのはとっくの昔に知れ渡っている事実です。 なので廃プラの利用法として固形燃料にするというのも納得で、ただのゴミが 高カロリーな燃料になるのなら利用せずにはいられません。 もちろん他にもっと有意義な使い道があればそちらを優先させますが、最終的に これしか手が無いと判断された廃プラはサーマルリサイクルされることになります。